凍死

17日夜、猛吹雪に見舞われた北海道当別町で、雪に車で突っ込んだ66歳の男性が自宅の前で低体温症で倒れていて死亡しました。

 午後4時すぎ、当別町の古市栄治さんから「雪に車が突っ込んだ。自力で出られる」と警察に通報がありました。その後、古市さんと連絡が取れなくなって警察が捜索しましたが、通報から約6時間後に古市さんが自宅の玄関の前で倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認されました。死因は低体温症でした。当時の当別町は猛吹雪に見舞われていて、警察は古市さんが車を降りた後に120メートル離れた自宅前までたどり着いたものの、力尽きたとみて調べています。

 

北海道地方が連日激しい風雪に見舞われる中、札幌市の北側約25キロに位置する当別町で、66歳男性が自宅玄関までわずか数十センチのところで倒れているのが見つかり死亡が確認された。北海道警が、17日午後10時25分ごろ同町の無職古市栄治さんが自宅玄関前で倒れているのを警察官が発見したと発表。死因は低体温症による凍死だった。

現場付近は当時、吹雪で視界が遮られ、周囲が真っ白になる「ホワイトアウト」状態だったとみられる。古市さんは歩いて自宅に向かい、玄関前で倒れたとみられる。そばには玄関の鍵が落ちていた。古市さんは一人暮らしだった。

 道警札幌北署によると17日午後4時20分ごろ、古市さんから「車が雪山に突っ込んだ」と通報があった。「自力で脱出できる」と話していたが、その後、連絡が途絶えた。署員が捜索に出発。午後10時すぎ、自宅から約120メートルの路上で雪山に突っ込んだ車を発見した。自宅に向かったところ、玄関前で倒れている古市さんを発見した。

札幌管区気象台によると当時の当別町の気温は不明だが、隣接する石狩市は氷点下11・2度まで下がっていた。積雪は約65センチだった。札幌市でも今季一番の冷え込みとなる氷点下12・3度を記録していた。

 ホワイトアウトは、暴風雪や降り積もった雪が強風により舞い上げられる地吹雪などによって起こる現象。視界が真っ白になり自分とそれ以外のものの位置関係が認識できなくなる。方向感覚がなくなり上下の感覚も鈍くなることで、どの方向に進めばいいのか判断することが非常に難しくなる。古市さんはホワイトアウトで視界を奪われ、雪山に突っ込んだ車を捨てて、徒歩で自宅に向

かって歩きだしたとみられる。

 ○… ホワイトアウトに見舞われた際には、どう対応するべきなのか。事故の救出に当たった北海道・当別消防署は、一般論として今回のような場合には「携帯のGPS機能などをオンにした状態で、一酸化炭素中毒にならないように換気を行って車内で救助を待つ方法が良い」とした。自動車を運転している際にホワイトアウトに遭遇したときには「前の車のテールランプや道路境界を示す標識を目印にして、止まらずに走行をしてほしい」と話した。歩いている場合はどうだろうか。日本登山インストラクターズ協会は「吹雪が終わるまで動かないでほしい。一瞬でも視界が開開けるときが必ずあるので、その間に自分のいる位置を把握して風の当たらない場所を探して逃げてほしい」とアドバイスした。